館内展示の見どころ
資料館の1階には、すさみ町の主要産業であった漁業に関する展示が充実しています。カツオ漁で使用された「ケンケン漁」の船模型や漁具をはじめ、潜水服や真珠貝など、海とともに発展してきた町の歴史を感じられる資料が並びます。
また、オーストラリアの木曜島へ移住した人々に関する資料も展示されており、海外へ渡った町民たちの歩みを知ることができます。さらに、上ミ山古墳から出土した考古資料なども展示され、古代から続く地域の歴史に触れることができます。
2階には、農業や林業に関する資料、古文書、昔の生活用品などが展示されています。町民から寄贈された道具や生活用品からは、昔ながらの暮らしぶりを感じることができ、どこか懐かしい雰囲気を味わえます。
周参見王子神社と奉納絵馬
資料館に隣接する周参見王子神社は、天文15年(1546年)に建立された歴史ある神社です。熊野から勧請された神社で、神仏習合の面影を残し、御神体は十一面観音御正体とされています。
神社には古くから海上安全や大漁祈願のため、多くの絵馬が奉納されてきました。特に船絵馬は県内最大級のコレクションとして知られ、熊野沖を航行した和船の変遷を知る上でも学術的価値が高いとされています。
そのほかにも、神話や芝居を題材にした絵馬、動物画、名所図、和算の問題を記した算額など、多彩な奉納物が残されており、当時の文化や人々の信仰を感じることができます。
秋祭りで賑わう地域の氏神
毎年10月9日には、周参見王子神社の秋祭りが盛大に行われます。五穀豊穣や大漁、航海安全を祈願する祭りで、屋台や山車、神輿が町内を練り歩き、獅子神楽も奉納されます。
海辺の町ならではの神事として、神輿が海に入る「潮垢離(しおごり)」も行われ、地域の人々の海への感謝と信仰の深さを感じることができます。祭りの日には町全体が活気に包まれ、伝統文化が今も大切に受け継がれている様子を見ることができます。
アクセスと利用案内
すさみ町立歴史民俗資料館は、JR紀勢本線周参見駅から徒歩約10分の場所にあります。また、紀勢自動車道すさみICから車で約5分とアクセスも良好です。
開館時間は午前9時から午後4時までで、入館料は無料です。歴史や民俗文化に興味のある方はもちろん、すさみ町の魅力をより深く知りたい方にもおすすめのスポットです。
熊野灘の海とともに歩んできたすさみ町の歴史や文化を学べるすさみ町立歴史民俗資料館。周参見王子神社とあわせて訪れれば、地域に息づく信仰と暮らしの歴史をより身近に感じることができるでしょう。