白浜町の湯崎浜広場に建つ「真白良媛像」は、万葉の時代に伝わる悲恋伝説を今に伝える文学碑として、多くの観光客に親しまれています。像はフィッシャーマンズ・ワーフ白浜の施設内広場、足湯のそばに設置されており、美しい海を眺めながら静かに伝説の世界へ思いを馳せることができます。
真白良媛は、白浜に伝わる伝説の美女です。都から訪れた有間皇子(ありまのみこ)と恋に落ちましたが、皇子は都へ戻った後、謀反の罪に問われ命を落としてしまいます。しかし真白良媛はそのことを知らず、再び皇子が戻ってくる日を信じて待ち続けたと伝えられています。
像には、白浜の海で見つかった珍しい貝「ホンカクジヒガイ」を抱く姿が表現されています。この白く美しい貝は、二人の変わらぬ愛を象徴するものとして語り継がれています。
像の台座には、「万葉秘話」と題した有間皇子の歌が刻まれています。
「岩代の 浜松が枝を 引き結び まさきくあらば また帰り見む」
この歌には、「再び無事に戻ってきたい」という皇子の願いが込められているとされ、真白良媛との悲しい物語をより印象深いものにしています。
真白良媛像の近くにあるフィッシャーマンズ・ワーフ白浜は、白良浜を一望できる人気スポットです。施設内には、新鮮な魚介類を味わえる和風ダイニングやイタリアンレストラン、お土産店、鮮魚販売コーナーなどが揃っています。
海辺の開放的な景色を楽しみながら食事やショッピングができるため、白浜観光の立ち寄りスポットとしても人気があります。また、マリンダイビングなどのアクティビティも楽しめ、海の魅力を存分に体感できます。
真白良媛伝説と深い関わりを持つのが、白浜町にある本覚寺(ほんかくじ)です。本覚寺は浄土宗鎮西派知恩院末寺で、「貝寺」の名で広く知られています。
古くから海辺の寺として漁師たちより貝殻の寄進を受け、多種多様な貝を収集してきました。現在では、学術的にも珍しい貝を含め、約1000種類・3万点以上もの貝を所蔵・展示しています。
中でも有名なのが、寺の名前にちなみ命名された「ホンカクジヒガイ」です。この貝は真白良媛と有間皇子の悲恋伝説を象徴する存在として、多くの参拝者の関心を集めています。
本覚寺は、徳川御三家の一つである紀州藩とも深い関係を持っています。徳川頼宣や徳川吉宗など歴代藩主が参拝したと伝えられ、現在でも歴代紀州藩主の位牌が祀られています。
寺には、貝の展示室だけでなく、徳本上人の名号碑や俳人・松瀬青々の句碑などもあり、歴史や文学を感じながらゆっくり参拝することができます。
真白良媛像、本覚寺、そしてフィッシャーマンズ・ワーフ白浜は、それぞれが白浜の海と深く結びついた観光スポットです。美しい海景色を楽しみながら、万葉ロマンや歴史、文化に触れることができるのが大きな魅力です。
白浜観光の際には、温泉や海水浴だけでなく、こうした伝説ゆかりの地を巡ってみることで、より奥深い白浜の魅力を感じることができるでしょう。