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有田市

(ありだし)

みかんと歴史が彩る海辺の町

有田市は、和歌山県の中部に位置し、紀伊水道に面した自然豊かな港町です。市内には有田川が流れ、その流域には肥沃な平野が広がり、古くから農業や漁業が盛んに営まれてきました。

全国的に知られる「有田みかん発祥の地」であるとともに、世界中で愛用される「蚊取り線香発祥の地」としても有名です。また、世界遺産「熊野古道紀伊路」が市内を通り、歴史・文化・自然・食が調和した魅力あふれる観光地として注目されています。

有田市の歴史と発展

有田市の歴史は古く、平安時代や鎌倉時代には熊野参詣道の要衝として栄えました。市内には古社寺や古墳群が数多く残されており、長い歴史を今に伝えています。

特に1574年には伊藤孫右衛門が肥後国からみかんの苗木を持ち帰ったことが、有田みかんの始まりと伝えられています。その後、温暖な気候と段々畑の地形を活かした栽培が発展し、現在では日本を代表するブランドみかんとして全国に知られる存在となりました。

さらに1895年には、山田原出身の上山英一郎によって現在の渦巻き型蚊取り線香が考案されました。蚊取り線香は世界中へ普及し、有田市はその発祥の地として大きな誇りを持っています。

日本一を誇る有田みかん

400年以上続く伝統農業

有田地域のみかん栽培は約450年以上の歴史を持ち、日本農業遺産にも認定されている伝統産業です。

有田川流域の急斜面には美しい石積みの段々畑が広がり、太陽の光と海からの反射光をたっぷり受けたみかんは、甘味と酸味のバランスに優れています。

山田原のみかん畑

山田原地区のみかん畑は、有田市を代表する絶景スポットです。収穫期には山々が鮮やかなオレンジ色に染まり、有田川河口や紀伊水道を一望できます。

近年ではみかん狩りや農園見学も人気を集めており、実際に収穫体験を楽しながら有田みかんの魅力を味わうことができます。

世界に広がる蚊取り線香発祥の地

有田市は世界初の渦巻き型蚊取り線香が誕生した場所です。

明治時代、上山英一郎は除虫菊の研究を重ね、棒状だった蚊取り線香を改良しました。妻ゆきの発案による渦巻き型は長時間燃焼を可能にし、安全性も向上させました。

この革新的な発明は世界中へ広がり、現在も多くの国で使用されています。有田市内には上山英一郎の銅像が建ち、その功績を今に伝えています。

海の恵みに育まれた漁業のまち

日本一の太刀魚漁獲量

有田市は全国有数の漁業のまちとしても知られています。

特に太刀魚(たちうお)の漁獲量は日本一を誇り、「紀州紀ノ太刀」として高い評価を受けています。

箕島漁港では毎日新鮮な魚介類が水揚げされ、太刀魚のほか、シラス、アジ、サバ、マダイ、ワカメなど豊富な海産物が並びます。

浜のうたせ

箕島漁港にある「浜のうたせ」は、有田箕島漁業協同組合が運営する人気の海鮮市場です。

その日に水揚げされた鮮魚や加工品、地元野菜や果物が販売されるほか、食堂では新鮮な海鮮丼や太刀魚料理を味わうことができます。

有田市を代表する観光スポット

有田みかん海道

有田市を代表する絶景ドライブコースとして人気を集めるのが有田みかん海道です。みかん畑が広がる丘陵地帯を縫うように続く道路で、眼下には紀伊水道や箕島漁港、有田川河口の美しい景色が広がります。

春にはみかんの花が咲き誇り、甘く爽やかな香りが一帯を包み込みます。秋から冬にかけてはオレンジ色に色づいたみかん畑が広がり、有田らしい風景を満喫できます。沿道にはカフェやレストラン、キャンプ施設なども点在しており、ドライブやサイクリングを楽しむ観光客に人気のスポットです。

地ノ島

紀伊水道に浮かぶ無人島地ノ島は、有田市屈指の自然景勝地です。初島漁港から渡船でアクセスでき、透明度の高い海と白い砂浜が広がる美しい海水浴場があります。

島内では海水浴やキャンプ、バーベキュー、釣りなどを楽しむことができ、自然を満喫したい方におすすめです。人工的な施設が少なく、青い海と空に囲まれた開放的な空間は、まさに非日常を体験できる癒やしの場所となっています。

宮崎ノ鼻

有田市西部に位置する宮崎ノ鼻は、紀伊水道を一望できる絶景スポットです。天候に恵まれた日には、遠く淡路島や四国の山並みまで見渡すことができます。

周辺は西有田県立自然公園に指定されており、美しい海岸線や豊かな自然環境が保たれています。夕暮れ時には海に沈む夕日が美しく、多くの写真愛好家が訪れる人気の撮影スポットとしても知られています。

矢櫃(やびつ)地区

「有田の秘境」と呼ばれる矢櫃地区は、海辺の斜面に家々が建ち並ぶ独特の景観を持つ漁村です。白い建物と青い海のコントラストが美しく、その景色は「東洋のアマルフィ」とも称されています。

細い路地や石段を歩きながら、昔ながらの港町の風情を楽しむことができます。近年はカフェや移住体験施設も整備され、若い世代からも注目を集めています。

糸我稲荷神社

糸我稲荷神社は、「本朝最初稲荷神社」として知られ、日本最古級の稲荷神社と伝えられています。創建は飛鳥時代までさかのぼるとされ、長い歴史を誇ります。

境内には樹齢500年以上ともいわれる大楠がそびえ立ち、神聖な雰囲気に包まれています。また、熊野古道の糸我峠へと続く参道の起点にもなっており、多くの参拝者や古道歩きの旅行者が訪れています。

熊野古道・糸我峠

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部である熊野古道紀伊路は、有田市内を南北に通っています。その中でも糸我峠は歴史的価値が高く、国指定史跡にもなっています。

古くから熊野三山を目指す参詣者が歩いた道を実際にたどることができ、道中では石畳や古い道標、王子跡などを見ることができます。歴史と自然を同時に楽しめる貴重な散策コースです。

浄妙寺

平安時代初期に創建されたと伝わる浄妙寺は、有田市を代表する古刹です。本堂や多宝塔をはじめ、木造薬師如来坐像や十二神将立像など数多くの国指定重要文化財を所蔵しています。

境内には静寂な空気が流れ、歴史ある建築や仏像をゆっくりと鑑賞できます。有田市の歴史や仏教文化を知る上で欠かせない名所の一つです。

仁平寺(あじさい寺)

仁平寺は「あじさい寺」の愛称で親しまれており、毎年6月になると約1,000株ものアジサイが境内を彩ります。

青や紫、白など色とりどりの花々が咲き誇る光景は非常に美しく、県内外から多くの観光客が訪れます。古刹の落ち着いた雰囲気と季節の花々が調和した、有田市を代表する花の名所です。

浜のうたせ

浜のうたせは箕島漁港に隣接する人気の海鮮市場です。地元漁港で水揚げされた新鮮な魚介類や加工品、農産物などが並び、活気あふれる雰囲気を楽しめます。

併設された食堂では、太刀魚やシラスなど有田ならではの海の幸を味わうことができ、観光客はもちろん地元の人々にも親しまれています。有田市の食文化を体感するには最適なスポットです。

有田市みかん資料館

有田市みかん資料館は、有田みかんの歴史や栽培技術について学べる専門施設です。みかん栽培がどのように発展してきたのかを、古文書や農具、模型などを通じて分かりやすく紹介しています。

有田市の発展を支えてきたみかん産業の歩みを知ることができるため、観光だけでなく学習目的でも人気があります。

ウエノ公園

有田川河口近くの高台に整備されたウエノ公園は、市内有数の桜の名所です。春になると園内に植えられた桜が一斉に開花し、多くの花見客で賑わいます。

展望スポットからは有田川河口や紀伊水道を一望でき、美しい景観を楽しめます。四季折々の自然を感じられる、市民の憩いの場として親しまれています。

熊野古道と歴史文化遺産

有田市には世界遺産・熊野古道紀伊路が通っています。

糸我峠は熊野参詣者が歩いた歴史ある道で、現在も当時の面影を残しています。

また、日本最古の稲荷神社と伝わる糸我稲荷神社、国指定重要文化財を多数所蔵する浄妙寺、中将姫伝説で知られる得生寺など、歴史ある寺社が数多く点在しています。

季節を彩る自然と花の名所

有田市では四季折々の美しい景観を楽しめます。

春にはウエノ公園の桜が咲き誇り、初夏には仁平寺で約1,000株のアジサイが境内を彩ります。秋にはみかん畑が黄金色に輝き、冬には澄み切った空気の中で紀伊水道の雄大な景色を楽しめます。

有田市の郷土料理と特産品

有田市では太刀魚料理や鮎料理、なれずしなどの郷土料理が受け継がれています。

太刀魚の刺身や寿司、天ぷらはもちろん、有田川で育った鮎の塩焼きや鮎のなれずしも人気です。

また、有田みかんを使ったジュースやゼリー、ポン酢などの加工品も豊富で、お土産として高い人気を誇っています。

まとめ

有田市は、400年以上の歴史を持つ有田みかん、日本一の太刀魚漁獲量、世界的な発明である蚊取り線香発祥の地という多彩な魅力を持つまちです。

さらに、熊野古道や歴史ある寺社、美しい海岸線、絶景ドライブコースなど、自然と歴史文化が見事に融合しています。

訪れる人々は、新鮮な海の幸やみかんの恵みを味わいながら、ゆったりとした時間の流れを感じることができるでしょう。有田市は、和歌山県を代表する観光地として、多くの人々を魅了し続けています。

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有田市
(ありだし)

有田市・湯浅

和歌山県