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紀州東照宮

(きしゅう とうしょうぐう)

関西の日光と称される絢爛豪華な名社

和歌浦を見晴らす美しい景観

紀州東照宮は、和歌山県和歌山市和歌浦西に鎮座する歴史ある神社で、徳川御三家のひとつである紀州徳川家ゆかりの重要な社として知られています。江戸幕府初代将軍・徳川家康公(東照大権現)と、紀州藩初代藩主・徳川頼宣公(南龍大神)をお祀りしており、古くから「権現さま」の名で地域の人々に親しまれてきました。

その華麗な社殿は「関西の日光」とも称され、豪壮な彫刻や極彩色の建築美によって訪れる人を魅了します。和歌浦の景勝地を見下ろす高台に建つその姿は、歴史・文化・自然景観のすべてを兼ね備えた、和歌山を代表する観光名所のひとつです。

徳川家ゆかりの壮麗な神社として創建

紀州東照宮は、元和7年(1621年)に紀州藩初代藩主・徳川頼宣公によって創建されました。頼宣公は徳川家康公の十男にあたり、父・家康公の御霊を祀ることで、紀州の繁栄と天下泰平を祈願し、この地に壮麗な社殿を築きました。

建立にあたっては頼宣公自ら指揮を執ったと伝えられ、石材の運搬には家臣たちも参加したといわれています。その格式の高さと威信の大きさは、創建当初から特別な存在であったことを物語っています。

また、当初は徳川家康公のみを祀っていましたが、後に創建者である徳川頼宣公も合祀され、現在の祭神構成となりました。

桃山文化の華を伝える豪華絢爛な社殿

紀州東照宮最大の見どころは、何といってもその極彩色に彩られた豪華な社殿群です。現在の社殿は創建当時の姿をほぼそのまま伝えており、国の重要文化財に指定されています。

建築様式は「権現造(ごんげんづくり)」と呼ばれ、本殿・石の間・拝殿を一体化させた格式高い構造となっています。これは日光東照宮にも見られる代表的な東照宮建築様式であり、江戸初期の神社建築を代表する貴重な遺構です。

黒漆・朱漆を基調とした建物に、金箔や極彩色を施した装飾が加わり、桃山時代の華やかな美意識を色濃く残しています。社殿の彫刻には、名匠左甚五郎の作と伝わるものもあり、鷹・龍・虎・鳳凰・鶴亀など、縁起の良い意匠が随所に配されています。

108段の石段「侍坂」が生み出す特別な参拝体験

紀州東照宮の参拝でまず印象に残るのが、境内へと続く108段の石段「侍坂(さむらいざか)」です。青石を敷き詰めた参道を進んだ先に現れる急勾配の石段は、訪れる人に強い存在感を与えます。

108という数字は煩悩の数を表すともされ、この石段を一段ずつ登ることで心身を清めながら神前へ向かう、象徴的な参道ともいえます。両脇には家臣団が寄進した石灯籠が並び、往時の格式を今に伝えています。

なお、急な石段が難しい方のために、脇には比較的緩やかな迂回路も整備されています。

楼門から望む和歌浦の絶景

石段を登りきった先に建つ朱塗りの楼門も、紀州東照宮を象徴する見どころのひとつです。鮮やかな極彩色で彩られた楼門は、関西でも類例が少ない豪華な門として知られています。

そして、この楼門越しに振り返ると、そこには和歌浦の美しい景観が広がります。和歌浦湾や片男波の砂浜、周辺の山並みを一望できるその眺めは格別で、歴史ある神社と自然景観が一体となった、紀州東照宮ならではの魅力を体感できます。

和歌山を代表する伝統行事「和歌祭」

紀州東照宮の祭礼として最も有名なのが、毎年5月第2日曜日に行われる「和歌祭(わかまつり)」です。

この祭りは東照宮創建翌年の元和8年(1622年)に始まったとされ、約400年にわたる歴史を誇る伝統行事です。豪華な神輿渡御に加え、武者行列、稚児行列、面掛行列など、江戸時代の風流を今に伝える華やかな行列が和歌浦一帯を練り歩きます。

和歌祭は単なる祭礼ではなく、和歌山の民俗芸能・伝統文化の集大成ともいえる存在であり、県内外から多くの観光客が訪れる一大イベントとなっています。

歴史と文化を伝える数々の文化財

紀州東照宮には社殿建築だけでなく、多数の貴重な文化財が伝わっています。

主な重要文化財

・本殿・石の間・拝殿
・唐門
・楼門
・東西回廊
・瑞垣

さらに、徳川家康公ゆかりの甲冑や刀剣、装束類、奉納品なども多数所蔵しており、紀州徳川家の歴史と文化を今に伝える貴重な宝庫となっています。

和歌浦観光とあわせて巡りたい名所

紀州東照宮は、和歌山屈指の景勝地和歌浦の中心エリアに位置しており、周辺には多くの観光スポットがあります。

周辺のおすすめ観光地

・和歌浦天満宮:学問の神を祀る朱塗りの美しい社殿が魅力
・玉津島神社:和歌の神を祀る古社
・片男波海岸:海水浴や散策に人気の景勝地
・養翠園:紀州徳川家ゆかりの大名庭園

周辺をあわせて巡れば、和歌山の歴史・文化・自然をより深く楽しむことができます。

アクセスしやすく観光拠点にも便利

紀州東照宮は和歌山市中心部からのアクセスも良好で、観光の途中に立ち寄りやすい立地です。

所在地:和歌山県和歌山市和歌浦西2丁目1-20
アクセス:JR和歌山駅・南海和歌山市駅から和歌山バス「権現前」下車、徒歩約1分

まとめ

紀州東照宮は、徳川家の威光を今に伝える壮麗な社殿、美しい和歌浦の景観、そして和歌山の伝統文化を体感できる祭礼など、多彩な魅力を持つ和歌山屈指の名所です。

108段の侍坂を登った先に広がる極彩色の社殿と絶景は、訪れる人に深い感動を与えてくれます。歴史好きの方はもちろん、建築や美術、絶景を楽しみたい方にもおすすめできる観光スポットです。

和歌山を訪れた際には、ぜひ紀州東照宮に足を運び、400年の歴史と格式を誇る“関西の日光”の美しさをご堪能ください。

Information

名称
紀州東照宮
(きしゅう とうしょうぐう)

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