般若湯とは、戒律の厳しい高野山の僧が飲んだといわれるお酒のことをいう。ハンニャとはインドの言葉で「知恵が湧く」という意味をもつ。偉いお坊様は、酒を飲んでもただ酔っていたのではない、知恵を湧かせていた……。
厳格な密教の聖地として名高い高野山でも、開祖弘法大師は『酒はこれ治療の珍、治療の人には塩酒を許す』と説かれ、お酒の効用を認め、飲酒を許しました。以来、この地では、寒さしのぎの為にも「塩酒一杯これを許」の元、一杯だけは飲んでも良いものとされました。
また、高野山は非常に寒い場所であり、とにかく体を温める飲み物、酒が必要だったという説もある。この般若湯の名をもつ酒は、高野山の麓、天野という土地の米を使ったお酒だ。ここには美山錦や山田錦など非常に美味しい米がある。その米をブレンドし、かつらぎ山系からの伏流水でつくったお酒。とにかく美味しい酒だ。