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串本海中公園 海中展望塔

(UNDERSEA OBSERVATION TOWER)

黒潮が育む神秘の海中世界へ

和歌山県東牟婁郡串本町にある串本海中公園 海中展望塔は、串本の美しい海を間近に体感できる人気スポットです。沖合約140メートルの海上に建てられた展望塔からは、水深6.3メートルの海中世界を360度見渡すことができ、まるで海の中へ入り込んだかのような幻想的な景観を楽しめます。

串本の海は、日本を代表する暖流「黒潮」の影響を強く受けており、温帯と亜熱帯の生き物たちが共存する非常に珍しい海域として知られています。その貴重な自然環境は高く評価され、日本初の海中公園地区として指定されただけでなく、ラムサール条約にも登録されています。

海中展望塔では、サンゴ礁の周囲を自由に泳ぐ魚たちの自然な姿を観察できるのが最大の魅力です。水族館のような人工的な展示ではなく、実際の海そのものを覗き込めるため、季節や天候、時間帯によって見られる生き物が変化します。訪れるたびに違った海の表情と出会える場所です。

沖合140メートルに広がる青く澄んだ海

海中展望塔へ向かう道中では、海の上に延びる橋を歩きながら、潮風と太平洋の雄大な景色を楽しむことができます。海の透明度が高い日には、橋の上からでも魚影が見えることがあり、展望塔へ向かう時間そのものが特別な体験になります。

塔内へ入ると、らせん階段を下りながら少しずつ海中へ近づいていきます。そして観察室に到着すると、ガラス窓の向こうに広がるのは、色鮮やかなサンゴと魚たちが織りなす別世界です。クシハダミドリイシをはじめとしたサンゴ群生の周囲には、ソラスズメダイやチョウチョウウオ、ブダイ、イシガキフグなど多彩な魚たちが泳ぎ回っています。

時にはウミガメがゆったりと泳ぐ姿を見ることもあり、その神秘的な光景に思わず見入ってしまいます。服を着たまま気軽に本物の海中景観を楽しめるため、小さなお子様からご年配の方まで幅広い世代に人気があります。

圧巻のメジナの群れ

海中展望塔の名物として特に知られているのが、数百匹にも及ぶメジナ(グレ)の大群です。警戒心が強い魚として知られるメジナが、展望塔周辺では巨大な群れとなって現れます。

窓いっぱいに広がる魚群が一斉に向きを変えながら泳ぐ様子は非常に迫力があり、まるで海の中でダンスをしているかのようです。海上から眺めても美しく、海中観察窓から見るとさらに臨場感が増します。

また、エサやり体験では魚たちが一気に集まり、水中が銀色に輝くほどの魚影に包まれます。自然の海でありながら、これほど近くで魚の群れを観察できる場所は非常に珍しく、釣り好きの方にも人気があります。

四季ごとに変化する海の生き物たち

串本の海は黒潮の影響を受けるため、季節によって見られる魚たちが大きく変化します。これまでに海中展望塔周辺では270種類以上もの魚が確認されており、多い時期には一度の観察で70種類以上を見ることができた記録もあります。

春の海

春にはキビナゴやメジナ、クマノミ、ソラスズメダイなどが見られ、海中世界が徐々に活気づき始めます。色鮮やかなチョウチョウウオ類も増え、サンゴの周囲が華やかな雰囲気になります。

夏の海

夏は黒潮の影響が最も強まり、熱帯・亜熱帯の魚たちが豊富になります。ツノダシやヤリカタギ、アケボノチョウチョウウオなど南国らしい魚たちが数多く見られ、透明度の高い海中景観が広がります。

秋の海

秋は年間でも特に魚の種類が多い季節です。ミスジチョウチョウウオやトノサマダイ、ニシキブダイなどカラフルな魚たちが増え、まるで天然の水族館のような光景が広がります。

冬の海

冬は海水の透明度が高まり、遠くまで澄み渡る海中景観を楽しめます。魚の種類はやや少なくなるものの、サンゴ群生や魚たちの姿をより鮮明に観察することができます。

串本海中公園とは

串本海中公園は、1970年に日本で最初に指定された海中公園地区のひとつです。園内には海中展望塔のほか、水族館、半潜水型海中観光船「ステラマリス」、ダイビングパーク、宿泊コテージ、レストランなどが整備されており、串本の海をさまざまな角度から体験できます。

特に水族館では、串本近海の生き物を中心に約400種・4000匹を展示しています。大型水槽や長さ24メートルの水中トンネルでは、サメやエイ、クロマグロなどが頭上を悠々と泳ぐ姿を観察できます。

また、ウミガメパークでは、子ガメから100キログラムを超える大きなウミガメまで飼育されており、人工繁殖にも成功しています。毎日開催される子ガメとのふれあい体験も人気です。

半潜水型海中観光船「ステラマリス」

串本海中公園では、海中展望塔だけでなく、半潜水型海中観光船「ステラマリス」による海中散歩も楽しめます。

船の水中展望室からは、ラムサール条約に登録されたサンゴ群生地を間近に観察することができ、専門スタッフによる解説を聞きながら串本の海の魅力を学べます。

世界最北限といわれるテーブルサンゴ群生地や、黒潮に育まれた豊かな海中生態系を観察できる貴重な体験として、多くの観光客に親しまれています。

海を眺めながら楽しむレストラン

園内のレストラン「アクロポーラ」では、海中展望塔や太平洋を眺めながら食事を楽しめます。勝浦直送のマグロを使った三色まぐろ丼や、鯛の旨味を凝縮した焼き鯛だしらーめんなど、南紀ならではの海鮮料理が人気です。

そのほかにも、真鯛丼、しらす丼、かつおのたたき丼、和歌山ラーメンなど、多彩なメニューが揃っており、観光途中の食事にもぴったりです。

アクセス情報

串本海中公園へは、紀勢自動車道「すさみ南IC」から車で約20分です。JRきのくに線「串本駅」からは無料送迎シャトルバスも運行しており、公共交通機関でもアクセスしやすい立地です。

また、串本町コミュニティバスを利用する場合は、「海中公園前」バス停で下車してすぐです。

訪れる際の注意点

海中展望塔は自然の海を利用した施設のため、天候や海況によっては閉鎖される場合があります。特に強風や高波の際は安全確保のため利用できないことがあるため、事前に運行状況を確認すると安心です。

また、展望塔内部には急ならせん階段があり、連絡橋にも段差があります。そのため、ベビーカーや車椅子での利用は難しい場合がありますのでご注意ください。

串本の海が見せてくれる感動体験

串本海中公園 海中展望塔は、黒潮に育まれた美しい海中世界を、誰でも気軽に体験できる貴重な施設です。季節ごとに変化する魚たちの姿、色鮮やかなサンゴ群生、そして大迫力のメジナの群れなど、自然が生み出す感動に満ちています。

水族館で学び、展望塔で本物の海を観察し、観光船でさらに深く海中景観を楽しむ――串本海中公園では、海の魅力を五感で味わう特別な時間を過ごすことができます。

本州最南端の海に広がる神秘的な世界を、ぜひゆっくりと体験してみてください。

Information

名称
串本海中公園 海中展望塔
(UNDERSEA OBSERVATION TOWER)

串本・古座川

和歌山県